効能が安定し、副作用も少ないことから、医師の処方箋がなくても薬局などで自由に購入することができる薬のことを「一般用医薬品」といい、大衆薬・市販薬・OTC(オーバー・ザ・カウンターの略)薬とも言われています。

特化型の企業が強い一般用医薬品の市場

一般用医薬品は消費財ですので、TVコマーシャルや雑誌の広告などで目にすることが多く、普段は薬に縁のない方でもかぜ薬のパブロン、ベンザブロック、ルル、解熱剤のバファリン、ノーシン、イヴ、ナロンエース、胃腸薬のガスター、大田胃酸、大正漢方胃腸薬などはご存知なのではないでしょうか。

従来は多くの医薬品企業が、医師の処方箋が必要な医療用医薬品と一般用医薬品の両方を製造・販売していましたが、2000年以降は、一部の企業が利益率の高い医療用医薬品事業に特化した戦略をとり、一般用医薬品事業を他社に売却するなどの動きが盛んになりました。

例えば、アステラス製薬は第一三共に、大日本住友製薬は興和に、田辺三菱製薬は佐藤製薬に、それぞれ一般用医薬品事業を売却しています。一方、エスエス製薬は医療用医薬品事業を久光製薬に売却しています。

現在でも医療用と一般用の両方を手掛けている企業は多いですが、一般用医薬品市場における医薬品企業の地位は、医療用の市場とは大きく異なります。

市場のトップ企業は、かぜ薬から解熱鎮痛薬、胃腸薬、ドリンク剤まで幅広い病気の製品を提供している大正製薬であり、そのほかにもエスエス製薬、興和、ロート製薬、小林製薬などが活躍しています。また近年は、ライオンやクラシエ(旧カネボウ)などの家庭用用品メーカーも、市場に参入しています。

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